2018年06月10日

171.「終戦の詔書」(玉音放送)現代語訳

1945年8月15日正午。「玉音放送」がラジオで流された。これは、昭和天皇が「ポツダム宣言」を受諾し、太平洋戦争の無条件降伏を告げる「終戦の詔書」を朗読した音声である。この「玉音放送」のよく知られている部分を現代語でいうと

「耐え難いことにも耐え、我慢ならないことも我慢して...」

である。しかし。こんな一部だけでは何を言われているのかさっぱりわからない。幸い、2017年8月14日のHUFFPOST(吉川彗慧)に全文の現代語訳が出ていた。「こういう内容だったのか」と思われる向きも多かろう。こちらである。


■「終戦の詔書」(現代語訳)

私は、世界の情勢と日本の現状を深く考え、緊急の方法でこの事態を収拾しようとし、忠実なるあなた方臣民に告げる。

私は政府に対し、「アメリカ、イギリス、中国、ソ連の4カ国に、共同宣言(ポツダム宣言)を受け入れる旨を伝えよ」と指示した。

そもそも日本臣民が平穏に暮らし、世界が栄え、その喜びを共有することは、歴代天皇の遺した教えで、私も常にその考えを持ち続けてきた。アメリカとイギリスに宣戦布告した理由も、日本の自立と東アジアの安定平和を願うからであり、他国の主権を排して、領土を侵すようなことは、もとより私の意志ではない。だが、戦争はすでに4年も続き、我が陸海軍の将兵は勇敢に戦い、多くの役人たちも職務に励み、一億臣民も努力し、それぞれが最善を尽くしたが、戦局は必ずしも好転せず、世界情勢もまた日本に不利である。それだけでなく、敵は新たに残虐な爆弾を使用して、罪のない人々を殺傷し、その惨害が及ぶ範囲は測り知れない。なおも戦争を続ければ、我が民族の滅亡を招くだけでなく、ひいては人類の文明をも破壊してしまうだろう。そのようなことになれば、私はどうして我が子のような臣民を守り、歴代天皇の霊に謝罪できようか。これが、共同宣言に応じるよう政府に指示した理由だ。

私は、アジアの解放のため日本に協力した友好諸国に対し、遺憾の意を表明せざるをえない。日本臣民も、戦死したり、職場で殉職したり、不幸な運命で命を落とした人、またその遺族のことを考えると、悲しみで身も心も引き裂かれる思いだ。また、戦争で傷を負い、戦禍を被り、家や仕事を失った者の生活も、とても心を痛めている。これから日本はとてつもない苦難を受けるだろう。臣民みなの気持ちも、私はよくわかっている。けれども私は、時の運命に導かれるまま、耐え難いことにも耐え、我慢ならないことも我慢して、未来のために平和を実現するため、道を開いていきたい。

私はここに国体を護ることができ、忠実な臣民の真心に信じ、常に臣民とともにある。もし、感情のままに争いごとや問題を起こしたり、仲間同士が互いを陥れたり、時局を混乱させたりして、道を誤り、世界の信用を失うようなことになれば、それは私が最も戒めたいことだ。国を挙げて家族のように一致団結し、この国を子孫に受け継ぎ、神国(日本)の不滅を固く信じ、国の再生と繁栄の責任は重く、その道のりは遠いことを心に留め、持てる総ての力を将来の建設に傾け、道義心を大切にし、志を固く守り、国の真価を発揮し、世界の流れから遅れないよう努力しなければならない。あなた方臣民は、これが私の意志だとよく理解して行動してほしい。

posted by Lily at 00:00 | 政治と憲法
2018年06月03日

170.降伏文書に何が書かれていたのか

東京湾に停泊したミズーリ号の上で、降伏文書への署名がなされたのは1945年9月2日のことである。これにより、日本の無条件降伏が確定した。日本はポツダム宣言を受諾し、無条件降伏を認めたのである。その降伏文書がどのような内容ものだったのか、その具体的な内容を知る人は多くはないと思われる。そこで以下に『世界史の窓』(https://www.y-history.net/appendix/wh1505-121.html)から引用する。

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降伏文書(読みやすくひらがな混じり文とし、一部省略した)

• アメリカ・中華民国・イギリス三国の首班が1945年7月26日「ポツダム」に於て発し、後にソ連が参加した宣言の条項を、日本国天皇、日本国政府及び日本帝国大本営の命に依り、かつこれに代わり受諾する。四国は以下、連合国と称す。

• 日本帝国大本営並びに何れの位置に在あるを問はず、一切の日本国軍隊及日本国の支配下に在る一切の軍隊の連合国に対する無条件降伏を布告する。

• 何れの位置に在るを問はず、一切の日本国軍隊及び日本国臣民に対し敵対行為を直ちに終止すること、・・・を命じる。

• 日本帝国大本営が何れの位置に在るを問はず、一切の日本国軍隊及び日本国の支配下に在る一切の軍隊の指揮官に対し、・・・無条件に降伏すべき旨の命令を直に発することを命じる。

• 一切の官庁、陸軍及海軍の職員に対し、連合国最高司令官が本降伏実施の為適当なりと認めて・・・発せしむる一切の布告、命令及び指示を遵守し、且これを施行することを命じる。・・・

• 「ポツダム」宣言の条項を誠実に履行すること、並に右宣言を実施するため連合国最高司令官又は其の他特定の聯合国代表者が要求すること・・・かつ一切の措置を執ることを天皇、日本国政府及びその後継者の為に約束する。

• 日本帝国政府及び日本帝国大本営に対し、現に日本国の支配下に在る一切の連合国俘虜及び被抑留者を直ちに解放すること・・・を命じる。

• 天皇及び日本国政府の国家統治の権限は、本降伏条項を実施するため、適当と認むる措置を執る連合国最高司令官の制限の下に置かれれるものとする。
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筆者は思う。降伏文書を知らずして 戦後を知ることはできない。と。

posted by Lily at 10:37 | 政治と憲法
2018年05月27日

169.ポツダム宣言の現代語訳


2015年5月20日。安倍晋三首相はポツダム宣言を「つまびらかに読んだことがない」と発言したことは筆者の記憶に新しい。念のため、その時の模様がこちら(↓)。

5月20日に行われた党首討論で、共産党の志位和夫委員長は安倍晋三首相に、ポツダム宣言に関する認識を質問した。

志位氏は「過去に日本が行った戦争は、間違ったものという認識はあるか。70年前に日本はポツダム宣言を受け入れた。ポツダム宣言では、日本が行ったのは間違った戦争だったと明確に記している。総理はこの認識を認めないのか」と聞いた。これに対し、安倍首相は「ポツダム宣言は、つまびらかに読んではいないが、日本はポツダム宣言を受け入れ、戦争が終結した」と述べた。
(2015年05月20日 HUFFPOST)


われ思う。安倍首相でなくとも日本人のほとんどが、つまびらかに読んじゃいないだろう。しかし、日本の戦後はここから始まっていると言っていい。だから、ポツダム宣言知らずして、戦後を正しく理解しようとしても無理がある。だから、ちゃんと知っておいた方がよかろうと思う。幸い現代語訳というものがある。複数見た中で、わかりやすそうなもの(同じく2015年05月20日 HUFFPOST)を選んでみた。これだ(↓)。

ポツダム宣言

1 我々、アメリカ合衆国大統領、中華民国主席とイギリス首相は、我々の数億の国民を代表して協議した結果、この戦争終結の機会を日本に与えることで意見が一致した。

2 アメリカ、イギリス、そして中国の陸海空軍は、何度も陸軍、航空編隊の増強を受けて巨大になっており、日本に対して最後の一撃を加える体制が整っている。この軍事力は、日本が抵抗をやめるまで同盟国によって維持できるものだ。

3 世界中の自由な人々は立ち上がった。それに対してドイツが採った無益かつ無意味な抵抗の結果は、日本の人々に対しても極めて明快な例として示されている。現在日本に向かって集中しつつある力は、ナチスの抵抗に対して用いられた力―全ドイツ民の生活、産業、国土を荒廃させるのに必要だった力―に比べると、測り知れないほど大きいものだ。決意をもって、我々の軍事力全てを投入すれば、日本軍は壊滅し、また、日本の国土は焦土と化すだろう。

4 日本が決断する時は来ている。知力を欠いた身勝手な軍国主義者によって制御され続け、滅亡の淵に至るのか。それとも、理性の道を選ぶのか。

5 我々の条件は以下の通り。条件からの逸脱はないものとする。代替条件はない。遅延も一切認めない。

6 日本の人々をだまし、間違った方向に導き、世界征服に誘った影響勢力や権威・権力は、排除されなければならない。無責任な軍国主義が世界からなくなるまでは、平和、安全、正義の新秩序は実現不可能である。

7 そのような新秩序が確立されるまで、また日本の戦争遂行能力が壊滅したと明確に証明できるまで、連合国軍が指定する日本領土内の諸地点は、連合国軍がこれを占領するものとする。基本的目的の達成を担保するためである。


8 カイロ宣言の条項は履行されるべきものとし、また、日本の主権は本州、北海道、九州、四国及びわれわれの決定する周辺小諸島に限定するものとする。


9 日本の軍隊は、完全に武装解除されてから帰還を許し、平和で生産的な生活を営む機会を与えることとする。

10 我々は、日本を人種差別し、奴隷化するつもりもなければ国を絶滅させるつもりもない。しかし、われわれの捕虜を虐待した者を含めて、全ての戦争犯罪人に対しては厳重なる処罰を行うものとする。日本政府は、日本の人々の間に民主主義的風潮を強化しあるいは復活するにあたって、障害となるものは排除する。言論、宗教、思想の自由及び基本的人権の尊重が確立されなければならない。

11 日本は産業の維持を許される。そして経済を持続し、正当な戦争賠償の取り立てに充当する。しかし、戦争を目的とする軍備拡張のためのものではない。この目的のため、原材料の入手はこれを許される。ただし、入手と支配とは区別する。世界貿易取引関係への日本の事実上の参加を許すものとする。

12 連合国占領軍は、その目的達成後そして日本人民の自由なる意志に従って、平和的傾向を帯び、かつ責任ある政府が樹立される限りにおいて、直ちに日本より撤退するものとする。

13 我々は日本政府に対し日本軍の無条件降伏の宣言を要求する。かつ、誠意を持って実行されるよう、適切かつ十二分な保証を求める。もし拒否すれば、日本は即座にかつ徹底して撃滅される。


われ思う。なんというか、かなり屈辱的である。だが、このポツダム宣言を受諾した時から本当の戦後が始まった。つまり、戦後のはじまりは1945年9月2日ということだ。
posted by Lily at 11:29 | 政治と憲法

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