2018年04月08日

162.『映画 日本国憲法』監督 ジャン・ユンカーマン氏の言葉から

以下は『映画 日本国憲法 読本』のあとがきからの抜粋である。ジャン・ユンカーマン氏は1992年米国ミルウォーキー生まれ。自国を「取るに足らないような口実をでっち上げて頻繁に戦争に走り悲惨な結末を招く」と評するこの人物が、我々の改憲問題をどう見ているか、非常に興味深いところである。

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憲法変えることは、本来、その国独自の問題である。しかし現時点における改憲は、いやおうなくほかのニつの現実と結びついてくる。一つは日米同盟。もう一つは日本とアジア諸国との関係である。改憲論者は「集団的自衛」といった、あいまいで穏便な言葉を使う。日本は「普通の国家」に生まれ変わるべきだと主張する。しかし、彼らが望んでいるのは、日本がふたたび戦争を行えるようになることだ。そして、取るに足らないような口実をでっち上げて頻繁に戦争に走り(アメリカ人である私にとっては慙愧に耐えない現実だが)、悲惨な結末を招くアメリカと足並みをそろえて戦うことなのである。

歴史は歩み続け、時の流れはどんどん戦争から遠ざかる。しかし流れゆく先には、紛争の平和的な解決や人権の拡大、つまり日本国憲法の精神があるはずだ。日本国憲法は、それが公布された時点では先駆的な文書であったし、私たちが今回の取材で再確認したように、いまも世界中の人々が求めて止まない理想を示している。日本にとって、この時期にそれを捨て去ることは、歴史の潮流に逆らう行為だ。

[『映画 日本国憲法 読本』pp263-265(2005)有限会社フォイル]
posted by Lily at 00:00 | 政治と憲法
2018年04月01日

161.韓洪九(ハン・ホング)さんの憲法観

韓洪九さんは1959年ソウル生まれ。「平和博物館の建立や良心的兵役拒否の運動などに関わるなど、韓国現代史を見直す活動を積極的に行い、心身の歴史家として注目される」というお人である[p43]。筆者は常日頃から日本人ではない人々がわが国の憲法をどう見ているかに相当な関心を抱いている。さらには、関心を抱くにとどまらず、彼らの考え方を多くの人に知らせたいとも思っている。そうした理由から、今回は韓洪九さんの憲法観を紹介することにする。以下、読まれたし。

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戦争を起こした日本が、その過去とどれだけ断絶しているのか。アジアの人々は、日本は過去と断絶していないのではないかと不安を抱きながらも、その不安を抑えることができたのは平和憲法があったからであり、それによって日本に対する根深い不信感をやわらげることができていました。しかし、その憲法の構造がいま、崩れようとしているのです。

靖国問題も、単なる追悼のための施設ではなく戦争を正当化する施設だから皆反対しているのです。A級戦犯14名がそこに合祀されている、ということだけで反対をしているわけではありません。戦争を起こした過去と断絶していない日本が、この9条をなくし、歴史を正当化し、何の妨害もなく海外に軍隊を送ることができたり、自衛軍を持てば、周辺の国が持つ不安感は増幅するでしょう。

より憂慮される状況は、日本の隣国事情もそれぞれ変わっているということです。かつて日本が戦争を起こしたときの隣国とは、隣国自体も変わっています。南北朝鮮、いまは分断されていますが、それぞれ両方が無視できない軍事力を持っています。19世紀末の侵略を受けた時とは違うわけですね。中国も19世紀末のあの中国ではありません。ロシアも20世紀のはじめに日露戦争で日本に負けたロシアではありません。

日本国憲法の崩壊は韓国、北朝鮮、中国、ロシアの軍備増強を招くことでしょう。日本の改憲が、自衛隊を自衛軍とするにとどまったとしても、心理的に他国に与える影響は、多大なる軍備増強をもたらすことになると思います。
[pp.236-237]
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そうなのだ。わが国の改憲が他国に与える「心理的影響」の影響だって、ちゃんと想像しておかななくちゃならない。そう思った。


※引用参考データ:『映画 日本国憲法 読本』pp138-140(2005)有限会社フォイル
posted by Lily at 16:20 | 政治と憲法
2018年03月25日

160.ベアテ女史の憲法観

親日派のアメリカ人であるベアテさん曰く。「第9条は全世界のために必要であると考えます。だから変えないで、ほか国々にも教えて、モデルとして認めてもらい、それぞれの国の憲法にも入れたらいいのではないかと思うんです」「日本が平和の指導者になればいいと思うんです」

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ーーーーーよく日本の憲法が占領軍に押しつけられたというように批判されますが、それについてどう思いますか。

ほかの人に何かを押しつけるときにですね、自分のものよりいいものを押しつけないでしょ。日本の憲法はアメリカの憲法よりすばらしい憲法ですから、「押しつけた」とは言えないだろうと思います。日本の国民はほんとうに喜んで受けました。前からそういう権利を望んでいたんです。男性もそうだった、明治憲法には男性もあんまり権利がなかったんですよね。女性はもちろん全然金がなかったですけど。男性もずいぶん困っていましたよ。だからほんとうに日本の国民が権利を望んでいたっていうことはよくわかりました。

もう一つ、外から来た憲法であるから改憲しなければならないと思う人たちがいますが、日本は歴史的にいろんな国からいろんなものを導入し、それを自分のものにして、もっといいものにしたこともずいぶんありますね。たとえば中国から漢字が来ましたでしょ。仏教はインドと中国から。そして陶器、雅楽などがありますね。みんな外から来て日本のものになりました。だからいい憲法だったらそれを受けて、いいように使えばいいじゃないかって私は思うんです。

ーーーーー第9条を米軍から押しつけられたということで、いま改憲の対象になっているんですけれど、それについてどう思いますか。

第9条は全世界のために必要であると考えます。だから変えないで、ほか国々にも教えて、モデルとして認めてもらい、それぞれの国の憲法にも入れたらいいのではないかと思うんです。いまは、チャンスです。日本が平和の指導者になればいいと思うんです。いまはどこに行っても戦争が起こっているので、新しい考え方で、何かしなければならないと思います。恐ろしくなりますよ。ほんとうに。「わあ、危ない、危ない」ていう感じなんですよね。
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※引用参考データ:『映画 日本国憲法 読本』pp138-140(2005)有限会社フォイル
posted by Lily at 14:16 | 政治と憲法

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