2019年02月17日

207.戦争がもたらす兵士の影響

戦争で戦うということは、人を殺すということを伴う。憲法改定にあたり、こうした戦争の現実は理解されてしかるべきであろう。以下、伊藤真さんによる『9条のの挑戦』(2018)pp.40-41より。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
米国では、貧困層や仕事がない若者が軍隊に入らざるを得ない厳しい現実があると言います。これは、経済的徴兵制と表現されることがあります。海兵隊に入隊することで大学進学の奨学金が得られるということで入隊するものの(新兵の奨学金希望者85%)、実際には帰国後はそうした意欲も失われ、大学を卒業できるのは15%に過ぎないと言われています。

入隊した新兵を待っているのは、過酷な訓練ですが、アメリカ海兵隊の新兵訓練の目的は、「人を殺せるようにすること」にあります。もともと98%の人間は「同種殺しの抵抗感」から人を殺せませんが、人を殺すことに対する心理的なバリアを除く教育がなされ、何も考えずに人を殺せるようになり、殺人という任務をこなせる人間に作られていきます。こうして若者たちは、12週間の訓練の後、3ヶ月の実践的訓練を積んだだけでイラク、アフガンの戦場に送りこまれます。米軍では、第二次世界大戦で、見える敵への発砲率が15〜20%に過ぎなかったことに衝撃を受けた軍幹部が新兵訓練を見直し、心理学者、精神医学者を動員して躊躇なく人を殺せるようになるプログラムを開発し、現在では発砲率が90%以上に「改善」していると言います。

ですが、こうして人を殺せる殺人マシーンにしててあげることができても、戦地から戻った兵士を真人間に戻すプログラムは未だに開発されていないのです。そのため、帰還兵が戦地での経験に苦しんだ末に自ら命を絶ってしまう。戦死者以上に帰還兵への自殺者が多いのが現代の戦争の特徴です。帰還兵は麻薬、犯罪、貧困に苦しみ、PTSD、うつ病に苦しみ続けています。

posted by Lily at 18:10 | 政治と憲法