2019年02月03日

205.「地震大国」が「原発大国」である理由

なぜ日本は地震大国であるにもかかわらず世界で3番目の原発大国なのか。

なぜ日本は福島第一原発事故を経験したにもかかわらず原発を止められないのか。

日本はアメリカの同意なしに原発を止めることができないことになっている。その理由が上記の疑問の答えとなろう。以下、木村朗・高橋博子『核の戦後史』(2016)pp.268-269より。

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軍需産業と軍部との一体化した結びつきを「軍産複合体(または軍産官学複合隊)」と呼びます。この軍産複合体の萌芽は20世紀初頭にはできていましたが、アメリカにおける軍産複合体の構築に大きなきっかけを与えたのがマンハッタン計画でした。マンハッタン計画には約22億ドルが費やされ、ダウケミカル社、デュポン社、ユニオンカーバイド社、ウェスティングハウス社、ロッキード社、ダグラス社などの軍需産業、シカゴ大学、カリフォルニア大学などの大学が参加・協力しました。動員されたのは約12万人です。マンハッタン計画で生まれたアメリカの軍産複合体は、戦後、ソ連との激しい核軍拡競争を背景に、ますます肥大化していきました。

核兵器の開発にあたって軍部から注文を受けていた企業のいくつかは後に原発メーカーに変貌します(例えばウェスティングハウス社)。トルーマンの次に大統領となったアイゼンハワーが1953年12月に「原子力平和利用」の演説を行い、原子力エネルギーの民間利用を推進し、原発を積極的に輸出していく考えを明らかにしました。この政策には原発関連技術や核燃料を輸出することによって、その輸出した相手国をコントロールするとともに、肥大化したアメリカの軍需産業に儲ける仕掛け(特許を持つ原子炉技術と作りすぎた濃縮ウランを売ることによって利益を得る)を提供する狙いもあったと考えられます。

この仕掛けにからみとられている国の1つが日本です。日本は1988年にアメリカと結んだ日米原子力協定(第12条4項)によって、アメリカの同意なしには原発を止めることができません。地震大国であるにもかかわらず日本が54基もの原発を持つような世界で3番目の原発大国になったこと、また福島第一原発事故を経験したにもかかわらず、原発を止められない理由の1つがここにあります。

posted by Lily at 20:30 | 政治と憲法