2018年09月16日

185.日米地位協定を考える(2)

1950年代に起こったロングプリー事件。これは、都内から西武池袋線に乗った音大生が、米軍基地内の米兵から狙撃され、車内で死亡したという驚くべき事件であった。

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1958年9月7日午後2時ごろ、米軍ジョンソン基地を横切る線路上を西武池袋線下り電車が走行中、埼玉県入間市の稲荷山公園付近で同基地に所属するピーター・E・ロングプリー三等航空兵(19歳)が車両に向けてカービン銃を発射し、基地内へバンド演奏のアルバイトに行く途中だった武蔵野音楽大生・宮村祥之(21歳)が死亡した。発砲の動機についてロングプリーは『カラ撃ちの練習をしたところ実弾が入っているのを忘れて射ってしまった』とのべた。埼玉県警と狭山署はロングプリーを重過失致死罪で浦和地検に書類送検した。(「埼玉新聞」他からまとめた事件の概略)

警備中の米兵は実弾を装填しないのが規則ですので、カラ射ちの練習をしたら実弾が入っていたというのはおかしい。おそらく走行中の列車に向けて、遊びで実弾の射撃練習をしていたのでしょう。さすがに日本の世論が沸騰したため、これを公務中とすることはできず、形だけの裁判が行われました。しかし浦和地裁の下した判決は金庫10カ月という信じられないほど軽いものでした。米軍関係者については基本的に裁判権を放棄するという密約があったからです。
[前泊博盛著『日米地位協定入門』(2013)創元社pp.146-148]


posted by Lily at 21:44 | 政治と憲法