2018年04月29日

165. 日米関係の本当の姿

戦後の日本外交を動かしてきた最大の原動力は、米国から加えられる圧力と、それに対する「自主」路線と「追随」路線のことせめぎ合い、相克だったということです。

上記は元外務省情報局長で駐イラン大使や防衛大学教授などを務めた孫崎享さんの言である。20万部を超える大ベストセラー『戦後史の正体』(2012)の「はじめに」から引いた。ここで孫崎さんは、日本とアメリカの関係を将棋に例える。それが言い得て妙なのだ。こちらである。

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「米国は日本の同盟国として大切にしてくれている」
「いや、そうではない。米国は日本を使い捨てにしようとしているのだ」
日本では、よくそういう議論を聞くことがあります。でも、どちらも事実ではありません。正しくは、
「米国との関係は、そのときの状況によって変化する」ということなのです。

将棋の盤面を考えていただければよいと思います。米国は王将です。この王将を守り、相手の王将をとるためにすべての戦略が立てられます。米国にとって、日本は「歩」かも知れません。「桂馬」かもし知れません。「銀」かも知れません。ときには「飛車」だといってちやほやしてくれるかもしれません。それは状況によって変わるのです。

しかしたとえどんなコマであっても、国際政治というゲームのなかで、米国という王将を守り、相手の王将をとるために利用されることに変わりありません。状況しだいでは見捨てられることもあります。王手飛車取りをかけられて、飛車を逃す棋士はいないでしょう。一瞬のためらいもなく、飛車を見殺しにする。当たり前の話なのです。

対戦相手の王将も、ときにソ連、ときにアルカイダ、ときに中国やイランと、さまざまに変化します。それによって、日本も「歩」になったり、「桂馬」になったり、「銀」になったりと、役割が変わるのです。

日本のみなさんは、戦後の日米関係においては強固な同盟関係がずっと維持されてきたと思っているでしょう。そして日本はつねに米国から利益を得てきたと。とんでもありません。米国の世界戦略の変化によって、日米関係はつねに大きく揺らいでいるのです。

[孫崎享『戦後史の正体 1945-2012』(2012)pp. D- F]
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アメリカはいつだってアメリカファースト。トランプ氏は正直だ。
posted by Lily at 00:00 | 政治と憲法