2017年12月10日

145.開戦76年:問い直す戦争

真珠湾攻撃から76年にあたる2017年12月08日。この日の東京新聞社説で先の戦争をふりかえっています。タイトルは、〈日米開戦から76年 問い直す「なぜ戦争を」〉。以下あらましです。

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なんであんな戦争してしまったのか。日本の開戦は不意打ちで、通告文書がワシントンの日本大使館から届けられる前に攻撃が始まった。事情がどうあれこれは事実。考えてみれば、1941年当時の日本とアメリカとの国力の差は歴然で、国民総生産で12倍、石油保有量は700倍以上も差があった。なのになぜ日本はあんな戦争をしかけてしまったのか。要因はひとつではなく、例えば:

・「幻想」
国力差が10倍もあるロシアを破った栄光が幻影となっていた。

・「復讐」
<嘗(かつ)てペルリによって武力的に開国を迫られた我が国の、これこそ最初にして最大の苛烈極まる返答であり、復讐だったのである。維新以来我ら祖先の抱いた無念の思いを、一挙にして晴すべきときが来たのである>(評論家・亀井勝一郎)

・「雪辱」
米国と江戸幕府は日米和親条約や日米修好通商条約を結んだが、不平等条約であり、明治期は条約改正に苦しんだ。真珠湾で開国からの屈辱を晴らした−。明治人にはそんな思いがよぎったのだろう。

・「孤立化」
1928年のパリ不戦条約のわずか3年後に日本は満州事変を起こし、傀儡(かいらい)国家・満州国をつくり、日本は国際連盟を脱退せざるを得なくなり、1937年には日中戦争を始め、同年12月に南京事件を起こしている。
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社説はこう結ばれています。「世界から孤立し侵略戦争を進めたことこそ、日米開戦に至る遠因だったろう。そして惨めな敗戦に至った原因でもある。今、負の歴史を隠す風潮がある。歴史には正直者でなければならぬ。」

「歴史には正直者でなければならぬ」。そうですよね。そうあるべきです。負の歴史を正視し、同じ過ちを繰り返さないよう生きるのが、後世としての責任であり、誠実な生き方でありましょう。

さて、同じ12/8(日本時間)。今年のノーベル文学賞受賞者のカズオ・イシグロさん(63)が、ストックホルムでお話されました。その中で、現在の世界情勢について、ヨーロッパやアメリカでグローバル化の反動と見られるポピュリズムが台頭していると懸念を示し、文学者としての決意を表明されています。以下、抜粋です。ご参考まで。

・「指導者が時代から取り残されてしまった人々をいわば利用する形で支持を集めようとしている。これは第2次世界大戦前の1930年代にも使われた手法で、非常に危険だ」

・「プロパガンダは過去の時代にもあった。しかし、現在、事実だろうと、うそだろうと、自分の感情に沿うのであれば気にしないという風潮が広まっていることが気がかりだ」

・「危険なほどに分断が増大する時代に、良い作品を書き、読むことで壁を打破できる」「文学者としてできる全力を尽くす」

・「ノーベル賞は新しい発見を人類のためにどのように使っていくのか問いかけている。人間の思いや感情を伝える文学を通じて、分断の時代に築かれた壁を乗り越えることに貢献したい」

※引用参考データ:2017/12/08NHKニュース、産経ニュース、朝日新聞、
2017/12/08東京新聞社説〈日米開戦から76年 問い直す「なぜ戦争を」〉
posted by Lily at 18:03 | 政治と憲法