2017年12月03日

144.国民投票にあたり国民がなすべきこと

一説によれば、憲法改定の国民投票に際しては改憲派がだんせん有利だといいます。その理由は資金力。つまりお金のある方が有利だというのですね。以下をご覧ください。

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国民投票の帰趨を左右するのは広告宣伝、ここで改憲派は圧倒的に有利な状況にある。投票運動期間中のメディア規制がほとんどないのをいいことに、豊富な資金力をもとに巨大広告代理店=電通が一手に作成するテレビCM大量投入できるのだ。国の将来を決める局面で、国民は、果たして公正な判断ができるのか?
(本間龍『メディアに操作される憲法改正国民投票』)
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なるほど、一理ありますね。国民投票の前にどっと流れるCMに知らず知らず「洗脳」されてく可能性。大いにあると思います。

ではもう勝負が決まったのか? というと、それもまた違う。国民おのおのが正確な知識を持ち、ぶれない意見を持っていれば、どんな「俗説」にさらされようと常に自分の頭で考えることができるはず。だから「議論もどき」に惑わされない力を持っていたいものです。最終的な選択が「護憲」であれ「改憲」であれ、その選択はCMが流れたから云々ではなく、国民が自分の頭で考え、導き出した選択であるべきです。

憲法改定に際し、メディアが情報提供という責任ある役割を果たすことになるのは言うまでもありません。でも、もしもメディアがその役割をちゃんと果たしていないとしたら、メディアをリードしていくのもまた国民の役割でありましょう。以下に憲法学者・木村草太さんの言を引きます。

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憲法改正と一口にいっても、様々なテーマがある。それらを一括りにしてしまうのは、日本のメディアの悪癖である。

放送時間や紙幅の制限があるのは十分にわかる。しかしながら、巷に流布する俗説に基づいて、「改憲に賛成ですか」、「自衛隊は違憲だと思いますか」などと聞いても、あまり意味のある議論にはならない。国民とって意義のある議論にするためには、憲法改正については、正確な知識に基づき、きちんとテーマを分けて議論すべきだ。

「改憲勢力の議席」に関する報道も、「教育無償化改憲賛成派の議席」、「憲法9条改正賛成派の議席」、「解散権制限改憲賛成派の議席」などといった形で記述してくれないと、今何が起きているのか、正しく国民に伝わらない。

メディアがなかなか変われないのであれば、むしろ国民の側が、「そんな報道では意味がない」とメディアをリードするしかないのだろう。国民が変わればメディアも変わらざるを得ないのだから。

そういう意味では、文字数の制約があまりないネットメディアや書籍に期待している。もちろん、こうしたメディアには、厳しい事前セレクトがかからないことにより、「玉石混交」という難点がある。つまり、読む側に「良い情報」と「悪い情報」を見分ける力が必要とされる。

国民の皆さんには、しっかりと情報の真偽を見極めたうえで、テレビや新聞以外の情報にも十分に触れていってほしい。
(木村草太「いまさら聞けない『憲法9条と自衛隊』」)
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そうですね。木村草太さんのおっしゃる通りです。憲法改定国民投票にあたり私たちがなすべきことは「しっかりと情報の真偽を見極めたうえで、テレビや新聞以外の情報にも十分に触れていくこと」。賛成にせよ反対にせよ、未来に責任ある投票をするために、積極的に情報収集に励もうと思います。


※引用参考データ:
本間龍『メディアに操作される憲法改正国民投票』(2017)岩波書店、
2016/07/02 木村草太:いまさら聞けない「憲法9条と自衛隊」〜本当に「憲法改正」は必要なのか?
posted by Lily at 17:40 | 政治と憲法