2017年10月01日

135.「知ってはいけない」知っておきたいこと(4)

前回は「横田空域」についてのお話で、要は「日本の空は日本のものではなく、米軍支配のそれである」の一例でした。米軍支配の空域はほかにもあり、「岩国空域」もそうなんですね。それで、日本の空でありながら日本の自由にならないこの岩国空域を、アメリカの大統領は「わざわざ軍用機で」原爆ドームに向かった、という。これは2016年にオバマ元大統領が広島を訪問した時の話です。以下、『知ってはいけない 隠された日本支配の構造』(p23-25)より。

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「横田空域」と同じくこの「岩国空域」もまた、山口県、愛媛県、広島県、島根県の4県にまたがり、日本海上空から四国上空までを覆う、巨大な米軍管理空域です。

この空域内の松山空港に向かう民間機は、米軍・岩国基地の管制官の指示どおり飛ばなければなりませんし、空域のすぐ西側にある大分空港へ向かう民間機も、高度制限など大きな制約を受けています。

岩国空域に関して印象に残っているのは、2016年にオバマ大統領(当時)が広島を訪問したときのワンシーンです。アメリカ大統領による初めての「歴史的な」広島訪問に際して、オバマ大統領は中部国際空港から大統領専用機で米軍・岩国基地に移動したあと、この岩国空域を通って、海兵隊の軍用ヘリで原爆ドームへ向かったのです。

車で行けばわずか40キロ、たった1時間で行ける距離をわざわざ軍用機で、しかも4機のオスプレイに先導されるかたちで移動した。さらに同行する大統領付きの武官は「フットボール」と呼ばれる核兵器の「発射キット」を携行していました。

アメリカ大統領とは、すなわち核兵器を世界戦略の中心に据えた世界最強の米軍の最高司令官であり、彼は日本の上空を事実上自由に、自国の軍用機を引き連れて移動することができる──皮肉にも、そうした歪んだ現実世界の姿をまざまざと見せつけた、ノーベル平和賞受賞大統領の広島訪問となりました。
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※引用参考データ:
矢部宏治『知ってはいけない 隠された日本支配の構造』(2017)講談社現代新書
posted by Lily at 11:13 | 政治と憲法