2016年08月28日

78.リットン調査団

前回の「77.満州事変」の中に
「リットン調査団」という言葉が出てきます。
今回はこのリットン調査団について
書きましょう。

中国が「満州事変」を国際連盟に提訴したため
国際連盟は調査団を満州に派遣します。
その団長が「リットン卿」でした。
以下は1932年10月2日の
「リットン調査団の主な報告」です。

1.満州事変以降の日本の軍事行動は
自衛とは言い難い。
2.「満州国」は地元住民の自発的な意思によって
成立したものではなく、
その存在自体が日本軍に支えられている。
3.満州において
日本が持つ権益、居住権、商権は
尊重されるべきである。
4.中国の主権のもとで
満州に自治政府を樹立するべきである。
(『爆笑問題の戦争論』p.118)

この、リットン調査団は、中国東北部を
国際連盟の管理下に置くことを提案。
しかし日本はこれを受け入れず、
「満州国が不承認なら国際連盟から脱退する」
という強い態度に出ました。そして
国際連盟は「満州国不承認」を可決し、
日本は国際連盟を脱退。
この時から日本は
世界から孤立することとなったのです。

※引用参考データ:『爆笑問題の戦争論』(2006)幻冬舎
posted by Lily at 07:17 | 政治と憲法
2016年08月20日

77.満州事変

「この機会に、
満州事変に始まるこの戦争の歴史を十分に学び、
今後の日本のあり方を考えていくことが、
今、極めて大切なことだと思っています」
平成27年、戦後70年目を迎えた年の元旦の、
天皇陛下のお言葉です。
「満州事変に始まる戦争の歴史を十分に学ぶ」。
これは国民レベルの改憲論議のためにも
きわめて大切なことなのに、
学校の歴史の授業は昭和に入る前に時間切れ。
近代史は教わっていないようです。
まず「満州事変」の概略を
押さえておきたいと思います。

満州事変:
日本の中国東北部・内蒙古への武力侵略戦争。
1931年9月18日、関東軍(満州に駐屯していた日本軍)は、
石原莞爾の指揮の下、
奉天(現在の瀋陽)郊外で鉄道を爆破し(柳条湖事件)、
これを中国軍の仕業として強引に開戦。
日本政府の不拡大方針を無視して占領地を拡大し、
翌年には満州の主要地域を占領した。
3月、満州国を樹立して支配下に置くも、
国際連盟が派遣したリットン調査団が、
日本の主張を否認する報告書を採択。
33(昭和8)年、日本は国際連盟を脱退した。
(『爆笑問題の戦争論』p106)

※引用参考データ:『爆笑問題の戦争論』(2006)幻冬舎、
矢部 宏治(文)須田 慎太郎(写真)『戦争をしない国 明仁天皇メッセージ』


posted by Lily at 23:04 | 政治と憲法
2016年08月14日

76.想像力を

憲法を変えるべきか、変えないべきか、
その議論が先にあって当然なのに、
まるで変えると決まったかのようです。
憲法は国民のものであって、
国民が国家に守らせる決まりごとなのに
国家の方からしきりに変えようとしている。
これ自体がおかしな話だと思うのですが、
私たちが憲法改定の問題を考える時に
忘れてはならない視点があります。
以下をご覧ください。

国家の安全や安心を抽象的に語るときには、
武力が行使されることによって、
子どもや親を亡くしたり、
財産をなくしたりするのが
生身の人間であるという事実を、忘れがちになる。
国家は概念である以上、
決して血を流したり、痛みに耐えたり、
命を落とすことがない。
(青井未帆著『憲法と政治』p.157)

憲法は何のためにあるかといえば
「政府の行為によつて再び
戦争の惨禍が起ることのないやうに」です。
戦争でひどい目に遭うはが誰なのか?
それは生身の人間です。
集団的自衛権とは早い話が武力行使。
この武力行使が戦争につながる可能性は大であると
私は当然、考えています。

誰が危険にさらされ、誰が血を流すのか、
この点を明確に想像し、
憲法改定問題に向き合おうと思います。

※参考データ:青井未帆『憲法と政治』岩波新書
posted by Lily at 20:10 | 政治と憲法
2016年08月07日

75.「軍隊はない方がいい」について

わが国にとって最も効果のある自衛は何でしょう?
強い強い軍隊を持つことでしょうか?
それとも「軍隊を持たないこと」でしょうか?
防衛の基本は「戦力を保持しないこと!」、
という考えに私は納得しています。
なぜなら歴史が教えてくれているから。

もし仮にどこかの国が攻めてきて
あるいはテロを仕掛けてきて
それに武力で報復して
それで事が納まらない、ということは
過去の戦争からも明らかでしょう?
相手が一層の攻撃を返してくれば
報復の応酬は激しさを増すばかり。
暴力の連鎖は続きます。
軍隊によって国民の生命と財産を守れる、と
そう考えるのは間違いだということを
過去の戦争は示しました。
軍隊が国民を守るどころか
国民を危険にさらしたのは
紛れもない事実でした。

第二次世界大戦のときには
世界有数の軍隊を持っていた日本ですが
結局は戦争に負け、
日本全国で多くの死傷者を出しました。
そして2000万人ものアジアの人々の
加害者にもなりました。
どんな戦争でもどこの国でも、
子どもや女性やお年寄りなどの
弱い立場の人ほど犠牲になるのは
避けられません。

軍隊は国民を守らなかった。
このことをよ〜く踏まえておきたいものです。

※引用参考データ:
憲法9条Q&A:Q1 日本の防衛の巻
渡辺一枝「軍隊を持たないということが最大の防衛手段です」、
法学館憲法研究所:第4回<「戦争放棄」の理由>
posted by Lily at 09:47 | 政治と憲法