2018年05月20日

168.アメリカとの関係

四〇年近くを外交官として過ごしてこられた孫崎享さんは、『戦後史の正体』を書いたことにより、三つの点を確認したという。その三つの点。是非、確認されたし。以下、『戦後史の正体 1945-2012』(2012)p.366より。

@米国の対日政策は、あくまでも米国の利益のためにあります。日本の利益とつねに一致しているわけではありません。

A米国の対日政策は、米国の環境の変化によって大きく変わります。代表的なのは占領時代です。当初、米国は日本を二度と戦争のできない国にすることを目的に、きわめて懲罰的な政策をとっていました。しかし冷戦が起こると、日本を共産主義に対する防波堤にすることを考え、優遇し始めます。このとき対日政策は一百八〇度変化しました。そして多くの日本人は気づいていませんが、米国の対日政策は今から二〇年前、ふたたび一八〇度変化したのです。

B米国は自分の利益にもとづいて日本にさまざまな要求をします。それに立ち向かうのは大変なことです。しかし冷戦期のように、とにかく米国のいうことを聞いていれば大丈夫だという時代はすでに二〇年前に終わっています。どんなに困難でも、日本のゆずれない国益については主張し、米国の理解を得る必要があります。


さて。平成29年11月6日の首相官邸ホームページによると、わが国の安倍総理は、日米共同記者会見の中でこのように述べているが、

「2日間にわたる話合いを通じ、改めて、日米が100%共にあることを力強く確認しました」

この「日米は100%共にある」という発言を、筆者は幾度となく耳にしている。もしも孫崎氏が言われるように「米国の対日政策は、あくまでも米国の利益のためにある」のだとしたら、「日米は100%共にある」という姿勢は、必ずしもわれわれ国民にとっての幸福をもたらすものとは言えまい。

筆者は常々思っている。トランプ大統領という人は、アメリカという国の最も素直な姿を表しているのかもしれない、と。

posted by Lily at 00:00 | 政治と憲法
2018年05月13日

167.「自主」「対米追随」から見た日本の首相たち

日本の戦後史を、アメリカに対する「自主路線」と「追随路線」という観点から考察する孫崎享さん。日本の戦後の首相たちを「自主派」「対米追随派」「一部抵抗派」に分類しているあたり。まことに興味深い。

自主派
(積極的に現状を変えようと米国に働きかけた人たち)
・重光葵
石橋湛山
芦田均
岸信介
鳩山一郎
佐藤栄作
田中角栄
福田赳夫
宮沢喜一
細川護煕
鳩山由紀夫

対米追随派
(米国に従い、その信頼を得ることで国益を最大化しようとした人たち)
吉田茂
池田隼人
三木武夫
中曽根康弘
小泉純一郎
海部俊樹
小渕恵三
森喜朗
安倍晋三
麻生太郎
菅直人
野田佳彦

一部抵抗派
(特定の問題について米国からの圧力に抵抗した人たち)
鈴木善幸
竹下登
橋本龍太郎
福田康夫

おもしろいことがある。長期政権となった吉田茂、池田勇人、中曽根康弘、小泉純一郎はいずれも対米追随派である。一方、自主路線を貫こうとした首相たちは、ひとりをのぞき、短期政権に終わっている。そのひとりとは誰か? 佐藤栄作である。
(以上は孫崎享著『戦後史の正体 1945-2012』p368-369から)

ということは、首相佐藤栄作の研究こそ、日本の未来を切り開くかもしれない、ということだろうか?


posted by Lily at 00:00 | 政治と憲法
2018年05月06日

166.アメリカの対日政策

『戦後史の正体 1945-2012』(2012)を書いた孫崎享さんは、執筆しながら3つの点を確認したという。以下、同書の「あとがき」より。

@米国の対日政策は、あくまでも米国の利益のためにある。日本の利益とつねに一致しているわけではない。

A米国の対日政策は米国の環境の変化によって大きく変わる。代表的なのは占領時代。当初、米国は日本を二度と戦争のできない国にすることを目的に、きわめて懲罰的な政策をとっていた。しかし冷戦が起こると、日本を共産主義に対する防波堤にすることを考え、優遇し始める。このとき対日政策は百八〇度変化した。そして多くの日本人は気づいていないが、米国の対日政策はいまから二〇年前、ふたたび百八〇度変化した。

B米国は自分の利益にもとづいて日本にさまざまな要求をする。それに立ち向かうのは大変なことである。しかし冷戦期のように、とにかく米国の言うことをきいていれば大丈夫だという時代はすでに二〇年前に終わっている。どんなに困難でも、日本のゆずれない国益については主張し、米国の理解を得る必要がある。
[『戦後史の正体』p366]

孫崎さん曰く。「戦後の日本外交は、米国に対する追随路線と自主路線の戦いであった」「米国からの圧力とそれへの抵抗を軸に戦後史を見ると、大きな歴史の流れが見えてくる」。

これまで米国からの圧力に抵抗を試みた政権はことごとく短命に終わっており、それを孫崎さんは本を通じて証明する。

是非ご 一読されたし。
posted by Lily at 10:34 | 政治と憲法

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