2018年12月09日

197.どんなに低空を飛んでもかまわないオスプレイの話

オスプレイは「未亡人製造機(ウィドウ・メーカー)」との異名をもつ。オスプレイはそれほど危険だということだ。そんな危険なオスプレイは、この日本の空をどれだけ低空で飛んでもかまわない。なぜなら最低高度が「平均150メートル」だからである。
「最低高度150メートル」ではなく「平均高度150メートル」である。要するに、「どんな低空飛行も許される」ということだ。「飛行高度平均が150メートル」は「150メートル以下の飛行もあり得る」ことを意味する。以下、前泊博盛『本当は憲法より大切な「日米地位協定入門」』(2013)pp.5-7より。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 2012年7月、オスプレイ(MV22)という新型軍用機の日本への配備が決まる過程でだれの目にも明らかになったことがあります。
この「未亡人製造機」と呼ばれるほど危険な12機の軍用機(MV22は、沖縄の普天間基地に配備されたものですが、その前にまず山口県の岩国基地に運ばれ、普天間基地に配備されたあとも、沖縄と本土の上空で平均150メートルの超低空飛行訓練を実施することが明らかになったのです。
ここでみなさんに注目してほしいのが、「平均150メートル(500フィート)」で超低空飛行訓練をするという、米軍発表の内容です。なにかおかしくないですか?
そう。普通、飛行機はもっと上空を飛んでいますよね。それが超低空飛行をするから問題になっているのに、なぜ「平均」の高度で発表されるのでしょう。そもそもいつからいつまでの平均なのでしょう。よく考えてみると、一番問題なのは安全性なのですから、規制されるべきなのは「最低高度」のはずです。なのにそれをなぜ「平均150メートル」での飛行訓練と書くかといえば、

@日本の航空法令で決められた最低安全高度(人口密集地以外)が150メートルだから
A「平均」というのはそれ以下の高度で飛ぶことがあるから

なのです。事実、海兵隊の訓練マニュアル(「MV22B訓練/即応マニュアル」2010年3月)によると、オスプレイには最低高度60メートルでの訓練が求められています。
 絶対におかしいですよね。車におきかえてみると、
「米軍の車両に関しては、高速道路の時速制限は『平均100キロ』とする」
と言っているのと同じことなのです。つまり日本の法律を守るつもりは、初めからないということです。どうしてこんなことが許されるのでしょう。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

理不尽ではないか。
posted by Lily at 00:00 | 政治と憲法
2018年12月02日

196. イージス・アショアに隠された本当の目的

もしもこの話が本当なら日本人ほどおめでたい国民はいない。日本がべらぼうな値段で購入しているあの「イージス・アショア」。あれを日本に配備する本当の目的とは? 以下、[伊藤真・神原元・布施祐仁『9条の挑戦−非軍事中立戦略のリアリズム』p183]から。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 北朝鮮は日本全土をほぼ射程に収めるミサイルを数百発配備しているとみられており、能力的には脅威となり得ます。しかし、発射から7〜8分で日本に到達するミサイルを、すべて迎撃するのは困難です。「飽和攻撃」と言って、こちらの迎撃能力を超える量のミサイルを一度に打ち込まれた場合は、なおさらです。しかも、日本海の沿岸部には27基もの原発が存在し、それらにミサイルが命中した場合、広範囲にわたって壊滅的な被害を受ける可能性があります。

 それにもかかわらず、日本政府は原発に迎撃ミサイルを配備していません。この事実一つをとってみても、日本政府は北朝鮮の弾道ミサイルの脅威を差し迫ったリアルなものとして捉えていないことがわかります。

 それにもかかわらず、日本政府はこれまでに、実に5兆円を超える税金をミサイル防衛のために使ってきました。そして、さらに5000億円をかけてイージス・アショアをアメリカから購入するというのです。

 また、イージス・アショアも含めて日本のミサイル防衛システムはアメリカのミサイル防衛システムに組み込まれており、アメリカ防衛を最優先に運用される可能性が高いと言えます。アメリカがイランのミサイルの脅威を理由にルーマニアとポーランドに配備したイージス・アショアも米本土に向かうミサイルの迎撃が最大の目的となっていますが、日本のイージス・アショア導入も米本土や米太平洋軍の拠点であるハワイやグアムの防衛に貢献することが隠された本当の目的です。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

どうだろう、この話? ひょっとしたら日本国民はそろそろ目を覚ましていいころかもしれない。

posted by Lily at 00:00 | 政治と憲法
2018年11月25日

195.「抑止力」についての疑問[伊藤真『9条の挑戦―非軍事中立戦略のリアリズム』より]



いわゆる「抑止力」に不信感を抱いているひとり。得たり、と思う記述に出逢った。以下、伊藤真『9条の挑戦―非軍事中立戦略のリアリズム』(2018)pp.27-29より。
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
軍隊を持つ方が攻められる危険は小さくなる、という意見があります。「攻めてきてみろよ、もっとひどい目にあわせてやるからな」といって相手国に対する攻撃抑止力になるという考え方です。

こうした「抑止力」に依存した安全保障政策は、実はかえって国民を危険にさらすものです。軍事的抑止力に依存する安全保障論には次のような疑問があります。
 
疑問1 
そもそも抑止力が効果的な安全保障手段かどうかが不明である。抑止力という概念自体が極めて主観的なものであり、抑止力の効果を客観的に測定することは不可能ではないのかという疑問がある。

抑止力が機能している状態というのはどういう場合か。それは「相手国がこちらを攻撃した場合、攻撃による利益よりももっと大きい打撃をこちらから受けると相手国が理解しているとこちらが認識でき、それにより、相手国はこちらを攻撃しないであろうとこちらが考えることができる場合」と言える。こうしたときに抑止が効いていると判断できるのだが、傍線部分はすべて主観的要素である。抑止力とは何重にも主観的要素を重ねた判断であるから、平和の維持と抑止力との因果関係を客観的に論証できるものではない。
 
疑問2 
抑止力の前提に対する疑問がある。
 
抑止力とは、お互いの腹の探り合いのようなものであるから、お互いが相手の軍事的能力や意図(軍事戦略)に関する情報を適切に有していることが前提となる。しかもそうした情報に基づいて理性的に判断できることを前提にしている。北朝鮮に関して言えば、これまで金正恩委員長が何を考えているかわからない危険な人物だとか、中国の軍事力は統計が不正確で不透明だと言いながら、抑止力を強調する人がいる。しかし、それは自己矛盾である。それは抑止が働かないことを自白しているに等しい。
 
疑問3 
同様に、テロに対する抑止力も無意味である。
 
現在、世界で最も脅威とされている国際テロを行う集団は自爆テロをも行い、軍事的な脅し、つまり抑止が効かない相手である。抑止力を高めればその国は平和になり、国民は安全になるのであろうか。もしそうであれば、世界最高の軍事力を持ち、世界最大の抑止力を持つ米国が世界で最も平和でかつ、米国市民が世界のどこへ行っても最も安全であるはずだが、現実は逆である。世界平和度指数のランキングで米国は163か国中、121位である(2018年)。ちなみに最下位はシリアであり、日本は9位である。
 
疑問4 
相手国を刺激し、軍拡競争を誘発することを考慮していない。
 
抑止力論は相手の脅威を強調して自国の軍事力強化を主張するが、そのことが相手国にとって脅威となり、ときに挑発になることを考慮しない。相手は日本に負けまいと軍拡に走り、日本もさらに負けまいとそれを上回る軍拡を目指すことになる。こうして際限なき軍拡の負のスパイラルに陥る危険性がある。その結果、一触即発の危機が生まれ、国の安全はかえって損なわれる。いわゆる「安全保障のジレンマ」に陥る。
 
「安全保障のジレンマ」とは、自国の安全のためにとった措置がかえって相手国に対する緊張を与え、相手国がとる対抗措置により、自国の安全が阻害されることをいう。相手に脅威を与える政策はかえって自国の安全を棄損するのである。
 
疑問5 
そして何よりも抑止力論は、抑止が破れた時の甚大な被害について考慮していない。
 
抑止が破れれば戦争になり、甚大な被害が生じる。その点に触れることなく、抑止力を高めれば確実に戦争を阻止できるように吹聴することは不誠実である。非軍事中立戦略に対して、侵略されたときの被害を甘受するのかと批判する人たちは、抑止力が破られた時の被害は無視するのかと問い返されるころになる。
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

無意味な「抑止力」のために莫大な税金を投入しているのだろうか?
 
posted by Lily at 13:01 | 政治と憲法

アメブロ「政治&憲法つれづれ草 byリリー」より最新日記

下記にアメブロの最近の記事3件を抜粋表示しています。
アメブロ「政治&憲法つれづれ草 byリリー」もぜひお読みください。